「大丈夫だ、問題ない」元ネタの真相と現在|エルシャダイの軌跡を追う
『エルシャダイ』という作品が単なる一過性の流行で終わらなかった背景には、ディレクター兼キャラクターデザイナーを務めた竹安佐和記(たけやす さわき)氏の並々ならぬ熱意があります。
発売後、開発元であったイグニッション・エンターテインメントの日本スタジオ閉鎖に伴い、IPの散逸やシリーズ消滅の危機が訪れました。しかし2013年、竹安氏は自身が代表を務める株式会社crimを通じて、本作のすべての権利(著作権および商標権)を自ら買い取るという前代未聞の行動に出ます。
自社IPとなった後は、構想されていた神話構想の小説化、原画展の開催、ドラマCDの制作、さらには120円で購入できるLINEスタンプの発売など、ファンと直接つながる草の根的なアプローチを継続。このフットワークの軽さと作品への誠実な愛が、ファンコミュニティから「竹安さんの情熱こそが本物だ」「クリエイターの鏡」と高い評判を集めました。
SNSやネット掲示板における生の声を見ても、かつて「PVがピークのネタゲー」と揶揄されていた評価は大きく変貌を遂げています。
「当時はMADばかり見て笑っていたけれど、リマスター版を実際に通しでプレイしたら絵画の中を走るような美術設計とBGMの美しさに息をのんだ」
「UIを極力排除して画面の没入感を高める試みは、今の時代に遊んでも全く古びていない。独特の手触りがある良作」
こうした客観的なプレイヤーレビューが積み重なり、2026年現在は「唯一無二のアートスタイルを持つ名作アクション」として確固たる地位を築いています。