向井地美音の子役時代と現在|アンフェア娘役からAkb48総監督への軌跡
向井地美音の名が日本中のドラマファンに強烈に刻まれたのは、2006年1月期に放送されたフジテレビ系ドラマ『アンフェア』でした。彼女が演じたのは、篠原涼子扮する主人公・雪平夏見の一人娘である佐藤美央役です。
劇中の美央は、両親の離婚や悲惨な事件を目撃したトラウマから心因性失声症を患い、言葉を発することができないという極めて難度の高い役どころでした。当時わずか8歳だった向井地は、セリフに頼ることなく、怯え、悲哀、母親への無償の愛を「視線」や「息遣い」だけで表現し、視聴者のみならず制作陣を驚嘆させました。
雪平夏見が美央を強く抱きしめるシーンで見せた切ない表情は、サスペンスの緊張感の中で作品に深い人間味を与える決定打となりました。母親役を演じた篠原涼子とは撮影現場でも実の親子のような絆を築いており、待ち時間には膝の上に乗って無邪気に遊ぶ姿が目撃されていました。
この強い絆はドラマ終了後も途切れることはありませんでした。2015年に公開された映画シリーズ完結編『アンフェア the end』では、AKB48の若手エースへと成長していた向井地美音が再び佐藤美央役として出演を果たします。約9年ぶりの再会となった舞台挨拶で、篠原涼子が「こんなに美しく立派に成長して、本当のお母さんのような気持ちで胸がいっぱいです」と感極まって涙ぐんだエピソードは、当時の芸能ニュースでも大きく取り上げられました。