日本の地震予知はどこまで可能か?Ai予測と南海トラフの真相
SNS上では、巨大地震の前後になると「地震雲を見た」「深海魚(リュウグウノツカイなど)が漂着した」「カラスが騒いでいた」といった地震前兆現象の真相をめぐる投稿が爆発的に拡散します。
これらのいわゆる「宏観異常現象(こうかんいじょうげんしょう)」について、大学や公的研究機関が過去数十年間にわたり大規模な統計追跡調査を実施してきました。結論として、気象現象や生物の行動変化と地震発生との間に、統計的に有意な因果関係や相関関係は確認されていません。
たとえば「地震雲」とされる特異な形状の雲は、大気上層の風速差や気圧配置によって日常的に発生する巻雲や高積雲に過ぎず、地下の岩盤破壊による電磁波が大気中の雲を特定の帯状に固定するという仮説は、物理学的に否定されています。深海魚の漂着に関しても、海洋研究開発機構(JAMSTEC)等の調査により、海水温の変動や海流の変化による偶発的な座礁であることが実証されています。
人間には「大きな出来事が起きた後、過去の日常的な些細な出来事を関連付けて記憶を再構築する」という心理的傾向(確証バイアスおよび後知恵バイアス)が存在します。ネット上の予言や前兆現象の多くは、この認知バイアスによって作られた幻想に過ぎません。