ゲド戦記クモの性別は男か女か?田中裕子の怪演とドロドロの最期を解剖
アーシュラ・K・ル=グウィンによる原作小説『ゲド戦記』第3巻『さいはての島へ』に登場するクモ(コブ)と、宮崎吾朗監督の映画版には顕著な違いが存在します。
原作におけるクモは、女性的な装飾を施した妖艶な人物ではなく、背が高く青白い顔をした冷酷な男性魔法使いとして描かれています。映画版のような中性的なビジュアルや田中裕子による妖艶な声音は、アニメーション映画としての視覚的・心理的インパクトを強めるために施された独自のアレンジです。
しかし、両者に共通しているのは、胸を締め付けるような「孤独と叫び」です。劇中でクモが残した以下の名言は、悪役でありながら観る者の心を揺さぶります。
- 「死ぬのは怖い…死にたくない…!」
- 「ハイタカ、お前をずっと待っていたよ…私と共に永遠を生きよう」
- 「世界の均衡など、崩れてしまえばいいのだ」
死を恐れるあまり自らを闇の底へ閉じ込めてしまったクモの言葉は、テルーが放つ「命を大切にしないやつなんて大嫌いだ!」という真っ直ぐな生命賛歌と痛烈なコントラストを成しています。