湯河原「味の大西」閉店の噂と現在|元祖小田原系の真実を追う
味の大西を語る上で外せないのが、丼を埋め尽くす圧倒的なビジュアルを誇る「チャーシューワンタンメン」です。一般的な醤油ラーメンのイメージを根底から覆すその構成は、小田原系ラーメンというジャンルを確立させた原点そのものです。
最大の特徴は、表面を覆う分厚いラードの層と、漆黒に輝く濃口醤油豚骨スープにあります。寸胴でじっくり炊き出された豚骨ダシに、キレのある濃口醤油タレを強めに合わせ、さらに焦がしラードの香ばしい油膜が熱を閉じ込めます。一口すすると、ガツンと響く醤油のカエシと豚の旨味、そして独特の甘香ばしさが口内を支配します。
合わせる麺は、スープをしっかりと吸い上げる多加水の平打ち縮れピロピロ麺。やや柔らかめに茹で上げられた麺が、濃密なスープとラードをたっぷりと絡め取ります。トッピングの主役であるワンタンは、一般的な薄皮タイプとは一線を画し、生姜と醤油でしっかりと味付けされたジューシーな豚挽肉が餃子並みのサイズで包まれています。さらに、噛み応えを残した分厚い煮豚チャーシュー、甘辛く煮詰められた真っ黒なメンマ、清涼感を添える三つ葉が加わり、一杯の丼の中で強烈なドラマを展開します。
気になるメニューと価格設定ですが、原材料の高騰や仕込みの手間を反映し、現在の看板メニュー「チャーシューワンタンメン」は1,500円〜1,800円前後の価格帯となっています。一般的なラーメン相場と比較するとやや強気な設定に感じられますが、提供される総重量と具材のボリュームは通常のラーメンの1.5倍から2倍近くに達するため、実質的にはデカ盛りグルメに近い満足度を誇ります。