インフル未経験の謎!最新研究が明かす無症状感染と遺伝的免疫の正体
では、なぜ一部の人々だけがそのような強靭な初期防衛システムを持っているのだろうか。その答えの一端は、DNAの配列の中に隠されている。かつてヒトゲノム解析プロジェクトが解き明かした全遺伝子情報をもとに、近年のゲノム全般解析(GWAS)が急速に進展した。
米国の医学文献データベースPubMedに多数登録されている最新論文によると、感染への耐性に深く関与しているのが免疫応答の中核を担うHLA(ヒト白血球抗原)の特定型である。特定のHLA型を持つ個人は、ウイルスの共通タンパク質を極めて高い精度で認識し、細胞性免疫を即座に活性化できることが明らかになった。ノーベル賞受賞者である山中伸弥教授らの研究でも知られる細胞・ゲノム研究の進歩は、こうした遺伝的個性の分子メカニズム解析にも大きく貢献しており、個人の遺伝的背景が感染リスクに与える影響の大きさを裏付けている。