彼岸花は触るだけで危険?猛毒の正体と田んぼや墓地に植えられた真実

彼岸花は触るだけで危険?猛毒の正体と田んぼや墓地に植えられた真実について見逃せない 事実を分かりやすい構成で解説いたします。

猛毒植物として恐れられる一方で、彼岸花には「飢饉を救う救荒作物」としての知られざる歴史的側面が存在します。

天候不順による大凶作や飢饉が頻発した江戸時代以前、米や麦が枯渇して餓死者が相次ぐ極限状態において、民衆が最後に命を託したのが彼岸花の球根でした。球根には毒素とともに豊富なデンプンが含まれていたためです。

主成分であるリコリンは水溶性の性質を持ちます。当時の人々は球根をすり潰してドロドロにし、何度も布で濾しながら流水に数日間さらし続けるという、気の遠くなるような徹底的な毒抜き作業を行いました。水に溶け出した毒素を完全に洗い流し、沈殿した純粋なデンプンを加熱調理して餅や団子にして食べることで、飢えを凌いだのです。

十分な毒抜きができていなければ即座に命を落とす危険と隣り合わせの非常食でした。普段は手を出してはならない毒草として忌避させつつ、いざという時の最終防衛ラインとして身近な生活圏に残しておく――先人たちが彼岸花にまつわる数々の戒めを言い伝えとして残した背景には、過酷な生存戦略が存在していました。

山本 拓海

山本 拓海

ヘルス&ウェルネスアドバイザー

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。