2026年、なぜいま西のカルチャー拠点が熱いのか?岡山で進化する「美の生態系」を歩く
後楽園や岡山城の目と鼻の先、旭川のほとりに位置する夢二郷土美術館は、竹久夢二の生誕地ならではの愛に満ちた空間だ。夢二が描いた独特な「夢二式美人」の繊細なラインや、旅と哀愁をモチーフにした装幀画の数々は、100年の時を経てもなお色あせないグラフィックデザインの原点を感じさせる。
ここでは作品を壁に飾るだけでなく、香りや音響、光の演出を組み入れたセンサリー(感覚体験型)な展示手法が取り入れられている。夢二が装幀を手がけた楽譜のメロディが薄暗い回廊に静かに流れ、大正期のサロンに迷い込んだかのような錯覚に陥る。併設されたカフェで味わう地元のフルーツを使った限定スイーツもまた、旅の記憶を鮮やかに彩るアクセントだ。