現場の胃袋から非常時の命綱まで——2026年、なぜ「マキタラーメン」は日本のアウトドアと防災を熱狂させるのか
凍てつく真冬の解体現場。作業員たちが腰袋から取り出すのは、ガスコンロでもカセットボンベでもない。工具箱と同色の堅牢なバッテリ「40Vmax」だ。これを充電式ケトル『KT001G』にセットし、スイッチを押し込む。わずか数分で沸き立つ湯が、カップ麺の乾燥麺を徐々に解きほぐしていく。
かつて現場での温かい食事は、高所や室内など火気厳禁の制約によって大きく制限されていた。「火を使えない場所で、ここまで熱いラーメンが食べられる日が来るとは」。首都圏の現場で指揮を執る50代の鳶職人は、湯気を吐き出しながらそう語る。熱々のスープが腹に染み渡る瞬間、過酷な作業による疲労が一気に吹き飛ぶという。