初代オスカル榛名由梨が語るベルばら誕生秘話と革新の男役像

初代オスカル榛名由梨が語るベルばら誕生秘話と革新の男役像にまつわる興味深い視点を詳しく紐解きます。

1974年、宝塚歌劇団月組公演『ベルサイユのばら』の幕が上がった。当時、少女漫画を舞台化するという試みは前代未聞であり、劇団内外からは激しい賛否両論が巻き起こっていた。原作ファンからの激しい反発や抗議の手紙が劇団に殺到するなか、演出家の植田紳爾とともに重圧に立ち向かったのが、初代オスカル役を託された榛名由梨である。

「漫画のキャラクターを人間が演じるなど不可能だ」という世間の冷ややかな視線を浴びながら、彼女は立ち姿ひとつ、マントの翻し方ひとつに徹底的な美意識を注ぎ込んだ。軍服のラインを美しく見せるための身体表現を追究し、オスカルの内に秘めた情熱と苦悩を演劇的なリアリズムへと昇華させた。初日の幕が開いた瞬間、客席を支配したのは懐疑ではなく、雷鳴のような拍手と嗚咽だった。

高橋 健太

高橋 健太

ライフスタイル編集者

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。