なぜ川沿いに柵がない?転落事故の真相と防護柵設置の意外なルール
日常的に多くの人が行き交う場所であっても、川に柵がない理由には治水(洪水を防ぐこと)上の明確な物理的根拠が存在します。もっとも大きな要因は、大雨による増水時にフェンスや柵が水流を阻害し、漂流物(流木やゴミ)をせき止めてしまうリスクです。
河川敷フェンスや固定式の頑丈な柵が設置されていると、水位が上昇した際に大量のゴミが網目に絡まり、まるで「即席のダム」のような障害物と化してしまいます。その結果、本来流れるはずだった水が堰き止められ、堤防の決壊や住宅地への越水を誘発する危険性が極めて高くなります。
また、河川空間は本来「自然の営み」と「親水性(水と親しむこと)」を前提としたオープンスペースとして設計されているケースが多く、景観への配慮や河川敷利用の柔軟性を保つため、あえて人工的な囲いを設けない設計思想が採用されてきた歴史的背景もあります。