「一度できたら消えない」は誤り?肉割れ・妊娠線を消す最新皮膚科学
そもそも、なぜ皮膚にはこれほどまでに深い筋が刻まれてしまうのか。表面を覆う表皮が柔軟に伸び縮みする一方で、その下層に位置する真皮や皮下組織は急激な張力に耐えきれず、断裂を起こす。これが根本的な原因だ。
この組織の断裂には、物理的な引っ張りだけでなくホルモン環境の変化も強く影響している。体内のコルチゾール濃度が高まると、真皮の結合組織を維持する線維芽細胞の働きが著しく低下する。さらに見落とせないのが薬剤の影響だ。アトピー性皮膚炎などの治療においてステロイド外用薬を長期にわたり広範囲に使用した場合、皮膚の萎縮や線維組織の脆弱化を招き、わずかな伸長刺激でも深刻な痕跡を生じさせるリスクが高まることが解明されている。