35歳からの逆転劇が生んだ奇跡——元明瀬山・井筒親方が2026年の大相撲に刻む「泥臭い強さ」の真髄
木瀬部屋の稽古場には、今も温かくも厳しい声援が響く。指導者としての彼は、ただ厳しさを押し付ける昔ながらのスタイルをとらない。弟子一人ひとりの骨格や得意な動きを見極め、対話を通じて弱点を補強する現代的なアプローチを実践している。
「自分の現役時代、上手くいかない時ほど周りの声に耳を傾けるのが難しかった。だからこそ、弟子が悩んでいる時には同じ目線で言葉をかけたい」。そう語る言葉には、叩き上げの苦労人ならではの温もりが宿る。稽古が終われば、愛くるしい笑顔で若手の相談に乗る。その人情味あふれる人柄に惹かれ、彼のもとで力を伸ばす力士は後を絶たない。