玉ねぎの辛味成分を消す裏ワザ!水にさらすと栄養激減の真相を解明
玉ねぎの皮を剥いている段階では、ツンとした刺激臭や辛味はほとんど感じられません。ところが、包丁を入れた瞬間に目に激痛が走り、涙が止まらなくなります。玉ねぎで涙が出る理由は、細胞の中に別々に隔離されていた「イソアリイン」などの含硫アミノ酸と「アリイナーゼ」という分解酵素が、細胞組織の破壊によって接触し、化学反応を起こすためです。
この酵素反応によって生じるのが、催涙成分である「シン-プロパンチアール-S-オキシド」と、特有の辛味・刺激臭をもたらす硫化アリル化合物群です。硫化アリルは非常に不安定かつ反応性に富む物質で、常温の空気中で速やかに分解・縮合を繰り返し、強力な抗菌作用と薬効を持つアリシンへと姿を変えます。つまり、私たちが口の中で感じるあの辛味は、植物が外敵から自らを守るために備えた防御機構そのものなのです。
一方で、春先に出回る新玉ねぎの辛味が穏やかなのは、辛味成分自体の絶対量が極端に少ないからではありません。新玉ねぎは通常の黄玉ねぎに比べて水分含有率が約90%以上と極めて高く、細胞内の刺激物質が物理的に希釈されていることが主な要因です。収穫後に乾燥貯蔵を行わずに出荷されるため、組織が柔らかくみずみずしさが勝る反面、成分の総量としてはしっかりと硫化アリルを保持しています。