ヴィレッジヴァンガード本店の現在|名古屋・植田の聖地巡礼ガイド
2000年代以降、ヴィレッジヴァンガードは大型商業施設や駅ビルへの出店を加速させました。しかし、急拡大に伴い「どこに行っても同じキャラクターグッズや流行のスナック菓子ばかりで、昔の毒気や面白さが薄れた」と嘆く古くからのファンも少なくありません。そうした中で、名古屋・植田のヴィレッジヴァンガード本店は、今なお別格の存在感を放っています。
住宅街の一角にひっそりと佇むトタン張りの倉庫。一歩足を踏み入れると、天井まで届く木製本棚が迷路のように入り組み、紙と埃と古いインクが混ざり合った独特の匂いが立ち込めています。本店が他店舗と決定的に異なる要素は、以下の3点に集約されます。
- 「本」が主役であり続ける売り場構成:一般店舗では雑貨やアパレルが売上の大半を占めるケースが多い一方、本店では売り場面積の半分近くを書籍が占拠。哲学、サブカルチャー、前衛芸術、写真集、絶版寸前のマニアックな文庫本が平台に堂々と並びます。
- 手書きPOPの圧倒的な熱量と文量:本店スタッフによる手書きPOPは、単なる商品説明にとどまりません。スタッフの個人的な人生観や作品への偏執的な愛が長文で綴られており、POPを読むこと自体が読書体験となります。
- 創業当時の空気感を残すレトロな建築構造:プレハブ倉庫特有の軋む床、無造作に配線されたスポットライト、雑然と積まれた段ボールなど、洗練された商業施設では再現不可能な「原初のカオス」が維持されています。