【2026年現地ルポ】秋葉原の超高密度カルチャービル「ラジオ会館」が世界を呑み込む理由 —— Tcgバブル、インバウンド狂熱、そして進化する実店舗の未来
平日の午後にもかかわらず、館内は人波で溢れかえっている。以前と明らかに違うのは、すれ違う人々の多様さだ。欧米からのバックパッカー、アジア諸国の熱狂的なカードコレクター、そして仕事帰りのサラリーマンが同じエスカレーターに並ぶ。誰もが手にスマートフォンの翻訳アプリや相場表画面を掲げ、熱心にガラスケースの中を覗き込んでいる。
「このカードを自分の目で見るためだけに東京に来た」と語るのは、アメリカから訪れた30代の男性だ。彼が指さしたのは、厳重に施錠されたショーケースに飾られた1990年代の未開封パック。価格は外車1台分に匹敵する。ネットオークションで画像を見るのとは違い、実物の状態を自身の目で確認し、その場の空気感ごと購入する。その高揚感こそが、このビルが放つ最大の磁力なのだろう。