欲望の解明「エロス」の真実:ギリシャ神話から最新映画まで
古代の概念を探るうえで避けて通れないのが、ギリシャ神話に登場する愛の神クピド(エロス)の存在だ。神話において彼は、混沌から秩序を生み出す創世のエネルギーであり、神々と人間を等しく情熱の渦へと巻き込む絶対的な力として描かれた。対立する要素を引き寄せ、結びつける結束のシンボルだったのだ。
この神話的イマジネーションを学問的な知性に昇華させたのが、古代ギリシャの哲学者プラトンである。著書『饗宴』の中で、彼は肉体的な魅力に惹かれる段階から、美そのものの本質や真理を追求する精神的な高みへと至るプロセスの昇華を力説した。不完全な人間が欠落を埋め、永遠なる美を求める心の傾き。それこそが愛の真理だと説いた彼の言葉は、二千年以上が経過した今なお色あせていない。