なぜ台風でコロッケ?20年続く謎の風習とスーパー争奪戦の真実
このネット発の熱狂を、ビジネスの現場が見逃すはずはありませんでした。発祥から約15年が経過した2016年頃から、大手流通チェーンが本格的に台風コロッケを販売戦略へと組み込み始めます。
口火を切ったのは大手スーパーのイオンでした。台風の接近予報が出ると、総菜コーナーに「台風コロッケ」と大々的に書かれた特設POPを掲示し、通常時の約1.5倍から2倍規模に増産して特売を実施。これがテレビの情報番組やウェブメディアで大きく報じられ、ネットユーザー以外への認知度が一気に跳ね上がりました。
現在では全国の地域密着型スーパーや精肉店、さらにはコンビニ各社に至るまで、台風接近時には「揚げたてコロッケの増量陳列」が定番のオペレーションとなっています。店舗にとっては「台風前の駆け込み需要」を取り込むフックとなり、消費者にとっては「手頃な夕食の調達」となる、見事な需要と供給の一致が成立しています。