千年を超える神仏習合の聖地、なぜ今世界中から人が押し寄せるのか?2026年に再発見された「山王信仰」と神猿の教え
日吉大社(歴史的には日吉山王権現と称された)の起源は、飛鳥時代以前の太古の山岳信仰にまで遡る。社殿背後に聳える八王子山の頂付近には「金大巌(こがねのいわくら)」と呼ばれる巨岩が鎮座し、古くから神が降り立つ聖域として崇められてきた。その後、最澄が比叡山に延暦寺を建立して以来、この神社は比叡山の鎮守社として、仏教と日本固有の神道が分かちがたく結びついた「山王信仰」の中心地となった。
明治時代の神仏分離令によって神道と仏教は形式上分けられたものの、境内に漂う佇まいには今もなお神仏習合の濃厚な名残が刻まれている。西本宮と東本宮を中心とする広大な境内には、権現造の原型とも言われる独特の「日吉造(ひえづくり)」と呼ばれる建造物が立ち並び、神と仏が手を携えて人々を救済するという中世の精神世界が凝縮されている。