外患誘致罪とは?唯一の「死刑のみ」の真相と適用例ゼロの法的理由

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法学的には適用が極めて困難な死刑専科の条文でありながら、ソーシャルメディア上では頻繁に外患誘致罪へのネットの反応が過熱する現象が観測されます。

掲示板やSNSでは、自身の政治的主張と対立する国会議員の外交発言、外国人参政権や移民政策を巡る自治体条例、防衛費増額に対する反対デモなどに対し、「これは刑法81条違反だ」「即座に告発すべき」といった極端な言説が散見されます。しかし、前述の通り政治的見解の相違や政策論争は「武力行使の通謀」とは何ら関係がありません。

この法的な無理解が決定的トラブルへと発展したのが、2018年前後に発生した「弁護士大量懲戒請求事件」です。朝鮮学校への補助金交付声明に関与したとされた無関係な弁護士らに対し、ネット上の扇動ブログを信じ込んだ数千人の一般市民が「外患誘致罪の教唆・賛同にあたる」などと主張して一斉に懲戒請求を乱発しました。

結果として懲戒請求は悉く却下されただけでなく、名誉毀損や不法行為として訴訟を起こされた請求者側が、全国の裁判所で数百万円規模の損害賠償を命じられる敗訴判決を重ねることになりました。「法定刑が死刑のみ」という重々しい言葉の響きだけが独り歩きし、法的現実を無視した暴走を招いた典型的な事例といえます。

鈴木 陽菜

鈴木 陽菜

テックライター兼ウェブディレクター

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