ぶどうの芽かき図解!失敗防ぐ残す芽の見分け方と時期のプロ技

ぶどうの芽かき図解!失敗防ぐ残す芽の見分け方と時期のプロ技にまつわる役立つ知識を詳しく紐解きます。

ぶどうの芽かきとは、春先に伸び出してきた新芽(新梢)の中から、不要な芽を手作業で摘み取る作業です。なぜ、せっかく芽吹いた新芽をわざわざ摘み取らなければならないのでしょうか。果樹園関係者や専門家への取材取材を重ねると、ぶどう特有の樹体生理と「貯蔵養分の配分」という明確な理由が浮き彫りになります。

冬の間、ぶどうの樹は幹や太い根に糖分を中心とした「貯蔵養分」を蓄えています。春の芽吹き直後、まだ葉が小さく光合成が十分にできない期間、すべての新梢はこの限られた貯蔵養分だけを頼りに急激に成長します。もし芽かきをせずに放置すると、無数の芽が養分を奪い合い、樹全体のエネルギーが浪費されてしまいます。その結果、本来もっとも養分を必要とする花穂(かすい=ぶどうの房の原型)に栄養が行き届かず、花がポロポロと落ちて結実しない「花振るい(生理落果)」が多発するのです。

新芽と枝の位置関係を視覚的に整理した模式図を以下に示します。

【ぶどうの節部と芽の構造図解】 [ 主芽(残す)] ↑ 太く充実・花穂あり │ / [ 副芽(除去する)] │ / ↑ 細く小さい・花穂なし ┌──┴─────┐ │ 節(芽座) │ ← 1つの節から2〜3本発生する ──────┴─────────┴──────── 前年枝(結果母枝)

上の図のように、ぶどうの1つの節からは「主芽」と呼ばれる本命の大きな芽と、その脇から保険のように予備の「副芽」が同時に萌芽します。芽かきを適切に行うことで得られるメリットは主に次の4点です。

① 貯蔵養分の浪費防止:余分な新芽を取り除くことで、残した新梢と花穂に養分を集中投下できる。
② 樹勢の均一化:強い芽と弱い芽の差を縮め、樹全体の新梢の伸びを揃えて品質のバラつきをなくす。
③ 採光性の確保:棚面や株元に光がしっかり届くようになり、光合成効率が最大化する。
④ 風通しの改善と病害虫予防:枝葉の過密を防ぎ、初夏に多発する灰色かび病やべと病の温床を断つ。

芽かきを怠ることは、自ら収穫ゼロのリスクを招いていると言っても過言ではありません。適切な芽かきこそが、大粒で糖度の高いぶどうを育てる最初の関門となります。

石川 優花

石川 優花

インテリア&ライフスタイルコーディネーター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。