奥田瑛二の狂気と色気!世界を揺らした名優が明かす表現の現在地
監督としての彼を語る上で外せないのが、世界を震撼させた輝かしい受賞歴だ。2001年の初監督作『少女〜an adolescent』で鮮烈な作家性を提示すると、自ら設立した製作会社「ゼロ・ピクチュアズ」を拠点に、妥協なき映画作りを追求。そして2006年、映画『長い散歩』で世界屈指の権威を誇るモントリオール世界映画祭の最高賞(グランプリ)を含む主要3冠を獲得するという快挙を成し遂げた。
名優・緒形拳を主演に迎え、孤独な老人と心に傷を抱えた少女の逃避行を濃密に描いたこのヒューマンドラマは、国境を越えて絶賛された。「人間を撮るとは、魂の傷口に触れることだ」。彼が徹底してこだわり抜いた光と影の演出、人間の生々しいエゴと救済の描写は、日本映画の歴史に深く刻み込まれている。