千枚通しとは?目打ちやキリとの違い・由来から100均活用まで徹底解説
千枚通し(せんまいどおし)とは、「いく枚も重ねた和紙を一気に刺し通して綴じ穴を開ける」ために作られた伝統的な穴あけ手工具です。英語表記では一般的に「Awl(オウル)」や、製本用途を明確にした「Bookbinding awl」、事務用の「Paper piercer」などと呼ばれます。
語源はその名の通り、「紙を千枚重ねても突き通せるほど鋭利で頑丈な針」という機能美に由来しています。江戸時代から明治・大正期にかけて、帳簿(大福帳)や公文書、和装本を麻紐や紙縒り(こより)で綴じ合わせる事務作業において、千枚通しは役人や商人にとって手放せない必須文房具でした。
現代ではパンチや電動ドリルの普及によりオフィスでの出番は減ったものの、カルチャーや伝承の世界でもその名は色濃く残っています。例えば、和歌山県・高野山に伝わる「千枚通し御守」は、弘法大師(空海)の霊験にあやかり、病気平癒や厄除けを願って水とともに飲む極薄の御札として有名です。また、警察学校を舞台にした人気ドラマ『教場』における象徴的な小道具や、アニメ『僕のヒーローアカデミア』の技のモチーフなど、その鋭利な存在感は創作物を通じても広く知られています。