動脈硬化の原因|加齢だけじゃない血管を蝕む決定的要因と今日からできる改善策
動脈硬化の直接的な原因は単一ではありません。複数の要因が重なることで、血管へのダメージが加速します。特に注意したいのが以下の4つです。
① 悪玉コレステロール(LDLコレステロール)の増加
LDLコレステロールは肝臓から全身にコレステロールを運ぶ役割を持ちますが、量が過剰になると血管壁に入り込みやすくなります。日本動脈硬化学会の診断基準では、LDLコレステロール値が140mg/dL以上で高LDLコレステロール血症と診断されます。ただし、すでに糖尿病や高血圧がある場合は、120mg/dL未満を目指すべきだとされています。
ここで見落としがちなのが、LDLコレステロール値が正常でも動脈硬化が進行するケースです。中性脂肪が高いとLDLが小型化し、より血管壁に入り込みやすくなります。これをスモールデンスLDLと呼び、通常の血液検査では見つけにくい「隠れリスク」として注目されています。
② 高血圧による血管壁への物理的ダメージ
高血圧が続くと、血管の内壁に常に強い圧力がかかり、内皮細胞が傷つきます。診察室での血圧が140/90mmHg以上だと高血圧と診断されますが、家庭での測定では135/85mmHgが基準です。
血圧が高い状態が続くと、傷ついた血管壁の修復過程で血管が厚くなり、弾力性を失います。これが高血圧による動脈硬化の進行メカニズムです。さらに、高血圧と動脈硬化は相互に悪化させる関係にあり、血管が硬くなると血圧はさらに上昇します。
③ 糖尿病・高血糖による血管の糖化
血糖値が高い状態が続くと、血液中の余分なブドウ糖が血管壁のタンパク質と結合し、「糖化」と呼ばれる現象が起こります。糖化した血管は硬く、もろくなり、動脈硬化が一気に進行します。
糖尿病と診断された人の死因の第一位は心筋梗塞や脳梗塞などの血管合併症です。糖尿病があるだけで、ない人に比べて心血管疾患の発症リスクが2~4倍になるという報告もあります。HbA1cが7.0%を超えないよう管理することが、血管保護の観点から強く推奨されています。
④ 喫煙による血管収縮と酸化ストレスの増大
タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、一酸化炭素は血液の酸素運搬能力を低下させます。さらに、喫煙によって体内の活性酸素が増え、LDLコレステロールの酸化が促進されます。
喫煙者の動脈硬化リスクは非喫煙者の約2倍。受動喫煙でもリスクが約1.3倍に上昇するといわれています。禁煙してから血管機能が回復し始めるまでには数週間から数ヶ月かかるため、早めの決断が重要です。