都はるみ「女の海峡」に秘めた魂の叫びと現在|昭和演歌の真髄

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「女の海峡」を不朽の名作たらしめている最大の要因は、都はるみ独自の歌唱技術、いわゆる「はるみ節」の完成度にあります。彼女のボーカルは、一般的な演歌歌手のこぶしとは一線を画す特異な構造を持っています。

具体的には、低音域から中音域にかけて押し出す「強烈な胴鳴りの唸り(うなり)」と、フレーズの語尾やクライマックスでふっと抜く「哀切を帯びた裏声(ファルセット)」のダイナミックレンジの広さです。「女の海峡」のサビでは、荒波に立ち向かうかのような強靭な声量で情感を爆発させた直後、波が引くように繊細な消え入りを見せます。この静と動のコントラストが、聴き手に強烈なカタルシスをもたらします。

声楽の専門家や音楽プロデューサーの間でも、「都はるみの声帯コントロールは天賦の才に加え、感情の臨界点を正確にコントロールする職人芸」と高く評価されてきました。島津亜矢や坂本冬美、天童よしみ、市川由紀乃といった名だたる実力派歌手たちが本作をカバーしていますが、いずれの歌手も「オリジナルの持つ圧倒的な気迫と情念の深さに挑むのは至難の業」と敬意を込めて語っています。

木村 陽翔

木村 陽翔

テックライター兼ウェブディレクター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。