小田和正「たしかなこと」が泣ける理由と誕生秘話|Cmと歌詞の真実
名曲が産声をあげたのは2004年5月26日、小田和正の通算23枚目となるシングルとしてのリリースでした。その背景には、明治生命保険と安田生命保険の合併に伴う新たな企業ブランド構築という大きな節目がありました。
当時、すでにオフコース時代の「言葉にできない」が同社のCMソングとして絶大な支持を集めていましたが、企業側は「新時代に向けた書き下ろしのオリジナル楽曲」を小田和正に熱望。関係者の証言によると、小田自身は安易なタイアップ企画を好まず、広告の意図や企業の姿勢を徹底的に吟味した上で制作に着手したと伝えられています。
小田が提示したのは、大仰な愛の誓いや抽象的な希望ではなく、「日々の暮らしの中に転がっている些細な瞬間」に光を当てるアプローチでした。こうして完成した「たしかなこと」は、一般公募された家族や日常の写真をスライドショー形式で繋ぐCM映像と完璧に融合し、日本中の視聴者に鮮烈なインパクトを与えることになります。翌2005年6月15日には、名盤として名高いオリジナルアルバム『そうかな 相聞』にも収録され、現在に至るまで小田和正の代表曲として愛され続けています。