銀杏の食べ過ぎで死亡事故も?中毒症状の正体と大人・子供の致死量
結論から言えば、銀杏の過剰摂取によって死亡するリスクは医学的な事実です。昔からの言い伝えは決して脅しではなく、銀杏に含まれる特有の自然毒が引き起こす急性中毒に基づいています。
銀杏中毒を引き起こす原因物質は、4'-O-メチルピリドキシン(ギンコトキシン)と呼ばれる神経毒です。この物質は、人間の脳神経が正常に機能するために欠かせない「ビタミンB6」と構造が酷似しています。銀杏を過剰に摂取すると、メチルピリドキシンがビタミンB6の働きを阻害し、体内を急激なビタミンB6欠乏症と同じ状態に陥らせます。
本来、ビタミンB6は脳内で興奮を抑える神経伝達物質「GABA(ガンマアミノ酪酸)」を生成するための必須補酵素です。しかし、毒素によってGABAの生成がストップすると、脳の神経細胞が異常な興奮状態に陥り、抑制の効かない激しいけいれん発作や意識障害が引き起こされます。これが最悪の場合、心肺停止や脳障害による死亡事故へと直結するのです。