元祖かご猫シロの現在と歴代の軌跡|2026年岩手の里山が伝える癒やしの真価
「なぜ、あれほど狭いかごの中に進んで入りたがるのか」という疑問は、かご猫を見る誰もが一度は抱く点です。これには猫の進化の歴史に根ざした明確な生物学的理由があります。
動物行動学において、猫が狭い箱やかごを好む主たる要因は「走触性(thigmotaxis)」と外敵からの防衛本能にあります。四方が壁に囲まれた空間は、背後から襲われるリスクをゼロにし、筋肉の緊張を解いて深いリラックス状態を作り出します。米国の動物シェルターで行われた実験でも、隠れられる箱を与えられた猫は、そうでない猫に比べて血中ストレスホルモン値が有意に低下することが実証されています。
さらに、岩手の現場環境も見逃せません。飼い主が農作業で使う天然の竹かごは、適度な通気性と保温性を兼ね備え、猫の体温(約38度)を心地よく保つシェルターとして機能していました。つまり、シロたちにとってかごに入る行為は、無理やり演出されたポーズではなく、本能的に最も安心できるパーソナルスペースの確保だったのです。