花粉症は子供に遺伝する?両親アレルギー時の発症確率と最新予防策
なぜアレルギー体質はこれほど高い確率で受け継がれるのでしょうか。ゲノム解析技術の発展により、複数の原因遺伝子の存在が明らかになっています。
第一の理由は、「HLA(ヒト白血球抗原)遺伝子」の型です。HLAは体内に侵入した異物を免疫細胞に提示する役割を担っていますが、特定のHLA型を持つ人は、スギ花粉などの抗原ペプチドと強く結びつきやすく、免疫系が過敏に反応してIgE抗体を量産しやすい特徴を持っています。このHLAの組み合わせは親から子へそのまま受け継がれます。
第二の理由は、皮膚や粘膜のバリア機能を司る「フィラグリン遺伝子」などの変異です。バリア機能が生まれつき弱いと、皮膚や気道粘膜の隙間から微細な花粉やアレルゲンが体内に侵入しやすくなります。近年のアレルギー学では「経皮感作(皮膚を通してアレルゲンが体内に侵入し、抗体が作られてしまう現象)」が花粉症発症の大きな引き金になることが判明しており、皮膚の乾燥しやすさやアトピー素因の遺伝が、巡り巡って花粉症のリスクを押し上げる構造になっています。