中古電車は個人で買える?本体価格の相場や輸送費・譲渡の裏側を追う
中古電車の購入において、最大の落とし穴となるのが輸送費と設置費用です。「本体を100万円で落札できたから手が出せる」と油断していると、見積もりを見て青ざめることになります。
一般的な20メートル級の通勤電車は、重量が25〜35トンにおよびます。線路がつながっていない一般家庭の庭や私有地へ運ぶには、車体を台車から切り離し、深夜に大型トレーラー(低床ポールトレーラー)を使って陸送しなければなりません。これには警察の道路使用許可や先導車の配備が必要となり、輸送距離やルートの道路幅によって1両あたり150万〜300万円以上の陸送費用が発生します。
さらに、目的地での設置作業にも莫大なコストがかかります。車体を吊り上げるための超大型クレーン車のチャーター代、軟弱地盤を補強する基礎工事、雨水による沈下を防ぐバラスト(砂利)や枕木・レールの敷設費用を合わせると、設置だけで100万〜200万円が上乗せされます。
結果として、本体価格が100万円であっても、輸送・設置まで含めた初期総額は400万〜600万円以上に達するのが標準的です。敷地前の道路幅が狭くトレーラーが入れない場合や、電線・街路樹の移設が必要な立地では、さらに数百万円単位の追加出費を覚悟しなければなりません。