なぜ昭和の実家土産が急高騰?北海道の木彫り熊再ブームの謎
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北海道の熊彫りの歴史を紐解くと、意外な人物の名に行き当たる。旧尾張藩主家の当主であり、農場主として北海道の開拓に尽力した徳川義親だ。大正時代、外遊先のスイスで農民たちが作っていたペザントアート(民芸品)の木彫り熊に出会った義親は、「これこそ冬場の現金収入に苦しむ開拓農民の救いになる」と直感した。
義親がスイスから持ち帰った一頭の置物を手本に、道南の八雲町で農民への試作指導が始まった。これが「八雲の木彫り熊」の起源である。当時作られた作品は、八雲町木彫り熊資料館に今も大切に保管されている。洗練されたスイスの造形感覚と北海道の豊かな自然環境が見事に融合し、独自の民芸文化として花開いた。単なる民芸品にとどまらない抽象性とモダンさを備えた八雲のスタイルは、現在の再評価における最大の源流となっている。