イルカ座礁は大地震の前兆か?南海トラフの噂と科学的根拠の真相
太平洋沿岸でイルカや小型クジラの漂着が報じられるたび、X(旧Twitter)のトレンドには「南海トラフ」「地震前兆」といった不穏な単語が並びます。ネット上では「動物は人間が感知できない微細な電磁波や地殻変動を感じ取っている」「地底から放出されるガスを嫌がって浅瀬に逃げてきた」といった言説がまことしやかに語られ、数万件規模のリポストを生む光景が繰り返されてきました。
結論から述べると、「イルカの打ち上げが大地震の前触れである」という説に科学的な根拠はありません。日本周辺の海域では、地震の有無にかかわらず年間数百件規模でクジラやイルカの漂着・座礁(ストランディング)が発生しています。
なぜここまで噂が定着したのかといえば、過去に起きた壊滅的な災害の記憶と、直前に起きた珍しい海洋現象が人々の脳内で強烈に結びついてしまったからです。しかし、膨大な観測記録を客観的に照らし合わせると、噂の実態は「偶然の一致」を後から結びつけた心理現象にすぎないことが明らかになっています。