アマゾン「ダッシュボタン」とは何だったのか?終了の真相と現在の代替策
Amazonダッシュボタンとは、特定の日用品銘柄(特定ブランドの洗濯洗剤、トイレットペーパー、ミネラルウォーター、シェーバーの替刃など)があらかじめ割り振られた、手のひらサイズの物理型IoTボタンです。Amazonプライム会員専用のハードウェアとして日本国内では2016年12月に提供が開始されました。
端末の仕組みは極めてシンプルでありながら、バックエンドの技術は非常に洗練されていました。自宅のWi-Fiネットワークに接続されたボタンを押すと、内蔵された通信モジュールが即座にAmazonのクラウドサーバーへ注文リクエストを送信します。注文処理が正常に完了するとボタン中央のLEDインジケーターが緑色に点灯し、ユーザーのスマートフォンへプッシュ通知が届く設計でした。
子供の誤操作や連続押しによる重複購入を防ぐため、「最初の一押しで注文が確定した後は、商品が配送完了するまで次の注文を受け付けない」という高度なフェイルセーフ機能も実装されていました。スマートフォンを開いてアプリを立ち上げ、検索バーに商品名を入力して決済するという一連の手間を「物理ボタンを1回押すだけ」に短縮した体験は、まさにIoT時代の幕開けを告げる象徴でした。