なぜ一流は儀式を欠かさないのか?ゲン担ぎの驚くべき科学と真相
フィクションとノンフィクションを問わず、生きるか死ぬかの勝負の世界を描いた作品には、必ずと言っていいほど強烈な儀式が登場する。昭和の裏社会を舞台にした名作漫画『勝負師伝説 哲也』では、麻雀牌の引きやツモの巡り合わせといった不確定要素のなかで、勝負師たちが独自の禁忌や作法を頑なに守り抜く姿が描かれている。ツキの流れを読み、自らの精神を研ぎ澄ますための規律だ。
現実のトップアスリートも同様のこだわりに満ちている。Netflixで世界的な反響を呼んだドキュメンタリー『ラスト・ダンス』では、バスケットボールの神様マイケル・ジョーダンが、シカゴ・ブルズのユニフォームの下に母校ノースカロライナ大学の練習用ショーツを現役生活を通じて常に履き続けていた事実が明かされている。巨万の富と名声を手にした孤高の天才ですら、精神の平穏を保つためにひとつの布切れに自らの誇りと原点を託していた。