仮面の忍者赤影キャストの現在と悲劇の真相|名作特撮の裏側
横山光輝 原作 違いの検証は、本作のクリエイティビティを語る上で欠かせない視点です。原作漫画『飛騨の赤影』(週刊少年サンデー連載)は、白土三平作品に代表されるシリアスな忍者漫画の潮流を汲み、リアリズムに基づいた忍者同士の騙し合いや冷徹な組織論を描いていました。主人公の赤影も、感情を表に出さないストイックな忍として描かれています。
しかし、東映プロデューサーの平山亨氏をはじめとする制作陣は、当時本格化していた「カラーテレビの普及」と「怪獣ブーム」を見据え、大胆な路線変更を断行しました。「子供たちがテレビの前で飛び跳ねるような、見たこともないエンターテインメントを作りたい」という情熱のもと、以下のような改変が施されました。
第一に、主人公・赤影のビジュアルです。原作の頭巾スタイルから、鮮烈な赤い仮面、青い忍装束、そして足元には現代的な白いブーツという、西洋のスーパーヒーローを彷彿とさせるハイブリッドな意匠が採用されました。この斬新なデザインは、京都撮影所の職人たちが手作業で染め上げた生地と相まって、画面上で圧倒的な存在感を放ちました。
第二に、SFガジェットと巨大生物の導入です。大ナマズや巨大ガマ、UFO、果てはロボットのようなからくり兵器が平然と京都の山林に現れる設定は、当時の時代劇関係者から「時代考証の破壊」と猛反発を受けました。しかし、原作者の横山光輝氏は「テレビにはテレビの面白さがある。自由にやってほしい」と全面的な信頼を東映側に寄せたといいます。結果として、原作の持つミステリアスな忍者バトルの魅力と、東映特撮の破天荒なスペクタクルが見事な化学反応を起こすことになりました。