ガンマネイルとは?大腿骨骨折の手術とリハビリ・抜釘の真相を徹底解説
大腿骨の付け根を骨折した際、提示される術式にはガンマネイルのほかに「CHS(コンプレッション・ヒップ・スクリュー)プレート法」や「人工骨頭置換術」があります。なぜ現代の転子部骨折ではガンマネイルが第一選択となるケースが多いのでしょうか。その決定的な理由は、低侵襲性(体への負担の少なさ)と力学的モーメントアームの短さにあります。
かつて主流だったCHS法は、太ももの外側を10cm以上大きく切開し、大腿骨の外側に金属プレートを沿わせてネジで固定する手法でした。この方法は筋肉を広範囲に剥離するため出血量が多く、術後の筋肉痛や回復の遅れが課題でした。一方のガンマネイルは、皮膚を数センチほど数箇所小さく切開し、筋肉の隙間から器具を挿入するため、出血を最小限に抑えられます。さらに、骨の中心(髄内)に金属が通るため、骨の外側を通るプレートよりも支点から力点までの距離が短く、テコの原理による金属疲労破断のリスクが大幅に低減されています。
また、股関節のさらに奥深い部分が折れる「大腿骨頸部骨折」では血流が途絶えて骨が壊死しやすいため、関節そのものを金属に置き換える人工骨頭置換術が選ばれますが、血流が豊富な転子部骨折では自身の骨が癒合する見込みが高いため、骨を温存するガンマネイルが選ばれるという医学的住み分けが存在します。