Let It Be本当の意味とは?亡き母の言葉と解散危機の真相

Let It Be本当の意味とは?亡き母の言葉と解散危機の真相の真相や最新動向に迫る! わかりやすい言葉でまとめました。

1968年の秋、ビートルズを取り巻く環境は最悪の混迷期を迎えていました。初期からバンドを統率してきたマネージャーのブライアン・エプスタインが前年に32歳の若さで急逝し、4人が設立したアップル・コアの放漫経営によって巨額の赤字が累積。音楽的な方向性の違いに加え、ジョン・レノンとオノ・ヨーコの蜜月関係に対するメンバーの戸惑いなど、人間関係の摩擦は頂点に達していました。

当時、グループを存続させようと孤軍奮闘していたポール・マッカートニーは、過度のプレッシャーから重度の不眠症に陥り、毎夜のようにアルコールと精神安定剤に頼る過酷な日々を送っていました。当時の特番インタビューや自著・手記において、ポールは「朝起きるのが怖く、バンドがバラバラになっていく悪夢に毎晩苛まれていた」と当時の精神的崩壊寸前の状態を赤裸々に告白しています。

そんなある夜、ポールの夢の中に一人の女性が現れます。それは、彼がわずか14歳だった1956年に乳がんで他界した実母・メアリー・マッカートニーでした。看護師および助産師として家庭を支え、深い慈愛で一家を包み込んでいた最愛の母。夢の中で母メアリーは、疲れ果てた息子の顔を優しく見つめ、静かにこう語りかけたといいます。

「It will be all right, just let it be.(大丈夫、すべてうまくいくわ。だから、あるがままにしておきなさい)」

目を覚ました瞬間、ポールの心にはそれまで味わったことのない温かな安堵感が広がっていました。母の面影と温もりが消えないうちに、彼はすぐさまピアノへと向かい、あの世界的に知られる流麗なゴスペル調のコード進行とメロディを一気に書き上げました。つまり『Let It Be』の真意とは、運命を無理にねじ伏せようと空回りしていた若き表現者が、「自力ではどうにもならない運命を手放し、大きな摂理に身を委ねる」という自己救済の祈りだったのです。

橋本 菜々子

橋本 菜々子

トレンドリサーチャー

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。