時短復職で手取り激減?育児休業終了時報酬月額変更届の真相と対策
育児休業終了時報酬月額変更届を提出して社会保険料を下げることには、ひとつの重大なトレードオフが伴います。「厚生年金保険料が下がるということは、将来受け取る老齢厚生年金の額も減ってしまうのではないか」という当然の懸念です。
この致命的なデメリットを完全に無効化する最強の制度が、「厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書」です。通称「3歳未満の養育特例」と呼ばれるこの申請を行えば、時短勤務によって支払う保険料が安くなったとしても、将来の年金額を計算する際には「休職前の高い標準報酬月額」で納付したものとみなして計算してくれます。
つまり、労働者は「現在の保険料を安く抑えて手取りを増やしつつ、将来の年金受給額は高い水準を維持できる」という、実質的なノーリスクの恩恵を受けることができます。この養育特例の手続きには以下の添付書類が必要となります。
- 戸籍謄本または戸籍全部事項証明書:申出者と子どもの身分関係を証明するもの(発行日から90日以内)。
- 住民票の写し:申出者と子どもが同居している事実を証明するもの(マイナンバー記載なし、発行日から90日以内)。
「月額変更届」と「養育特例申出書」は、いわば復職時における“車の両輪”です。片方だけを出して満足してしまうと、大きな制度的取りこぼしを招くことになります。会社側が自動的に手続きを進めてくれると思い込まず、必ずセットで提出されているかを確認することが自己防衛の鉄則です。