天才役者パク・ジョンミン、独学から始まったピアノの衝撃——映画『それだけが、僕の世界』から2026年現在へ続く表現者としての旋律
撮影が始まる前、パク・ジョンミンはピアノの鍵盤の位置すら満足に把握していなかった。楽譜を読むことすらできない。そんな彼が任されたのは、サヴァン症候群を持ち、一度聴いた曲を完璧に再現する天才ピアニスト・ジンテという超難役だった。
「吹き替えを使えばいい」——誰もがそう思う場面で、彼はあえて過酷な道を選んだ。制作陣から自宅に送られてきた電子ピアノに向かい、1日5〜6時間、ひたすら鍵盤と格闘する日々。ショパンの『夜想曲』や『英雄ポロネーズ』、チャイコフスキーのピアノ協奏曲など、プロのピアニストでも手焼く難曲を、彼は「指の形と音」を丸暗記するという力技で脳と体に叩き込んだ。半年間で費やした時間は300時間を超える。