70歳以上の障害年金は受給可能?新規申請の条件と老齢併給の裏側【2026】
本稿の取材過程で浮き彫りになったのは、年金事務所や行政の相談窓口における対応のばらつきと、それによる当事者の絶望です。大手ポータルサイトの知恵袋やシニア向けSNS、専門家への相談実例を精査すると、驚くほど共通した「現場の生々しい声」が確認されます。
「70歳を過ぎてから半身不随になった父のため、年金事務所の窓口に相談に行きました。しかし担当職員から『70歳の方は老齢年金をもらっているはずですし、65歳を過ぎているので障害年金の申請自体ができません』と書類すら渡されずに門前払いされました」(都内在住・50代女性)
「夫が過去に心臓の手術を受けており、認定日請求ができるかもしれないと相談したが、『当時のカルテは病院で処分されているはずだから立証は絶対に無理だ』と強い口調で言われ、一度は手続きを諦めかけました」(神奈川県在住・70代女性)
現場の第一線で活動する特定社会保険労務士は、この現状を次のように指摘します。
「年金事務所の窓口担当者が悪意を持っているわけではありません。しかし、窓口の非正規職員や経験の浅い担当者は、マニュアルにある『事後重症は65歳まで』という原則に過度に縛られ、相談者が過去に受診していた事実(初診日や障害認定日)を丁寧に掘り起こすヒアリングを省略してしまう傾向があります。その結果、『70歳=受給不可』という短絡的な誤案内が現場で常態化しているのです」。
実際に受給に漕ぎ着けた成功事例を調査すると、当事者や家族は窓口の言葉を鵜呑みにせず、自力で過去の医療記録を徹底的に追跡しています。カルテが法定保存期間の5年を過ぎて廃棄されていた場合でも、「お薬手帳の過去ログ」「当時の入院給付金を請求した民間保険会社の診断書控え」「健康診断の受診結果票」「身体障害者手帳の申請時に提出した医師の意見書写し」といった客観的証拠を複数組み合わせ、初診日認定(第三者証明を含む)を勝ち取っているのが実態です。