昭和100年の狂騒。スマホを投げ捨てた若者たちが、薄暗い路地裏の記憶へ群がる理由
展示品の多くは、見るだけにとどまらない。実際に触れ、動かせる設計が人を惹きつける。
黒電話の重いダイヤルに指を入れ、ジーコ、ジーコと回す。指先に伝わる機械的な抵抗と、元の位置に戻るまでのじれったい間(ま)。画面をタップすれば一瞬で地球の裏側と繋がる時代に、この「不便な時間」が途方もなく愛おしい。チャンネルをガチャガチャと力任せに回すテレビ、ボタンを押すとガコンと重い音を立てて落ちてくる瓶入りコーラの自販機。金属とプラスチックが擦れ合う鈍い摩擦音は、指紋のつかないガラス画面を撫で続ける日々に疲弊した神経を、静かに癒やしていく。