車の内輪差とは?巻き込み事故の原因と外輪差との違い・防止策を解説
一般ドライバーの間で極めて危険な形で蔓延している誤った運転習慣があります。それが、左折する直前に一度ハンドルを右へ大きく切る「あおりハンドル(逆ハンドル)」です。
ネット上の掲示板や動画サイトのコメント欄などで「内輪差で後輪を擦りたくないなら、少し右に振ってから曲がれば楽になる」といった誤った知識を鵜呑みにしているドライバーが散見されます。しかし、公道において軽自動車や普通乗用車があおりハンドルを行うメリットは皆無であり、極めて危険な過失運転行為です。
あおりハンドルがもたらす最大の悲劇は、自転車や歩行者の巻き込み防止における物理的破綻です。左折しようとする車が急に右へ頭を振ると、後続を走るバイクや自転車の視点からは「前の車が直進、もしくは右折しようとして進路を譲ってくれた」と誤認されます。その結果、不用意に空いた左側の隙間へ二輪車が勢いよく進入してきます。
そこへ向けてドライバーが本来の目的である左旋回を開始すれば、自転車の逃げ場は完全に塞がれ、致命的な巻き込み事故へと直結します。さらに、右に振った瞬間に右側車線を並走する後続車両と接触するリスクも跳ね上がります。
自動車教習所の学科試験対策においても、「左折時はあらかじめ道路の左端に寄らなければならない(道路交通法第34条第1項)」という条文が頻出します。あおりハンドルはこの基本原則に明確に反する違反行為であり、内輪差の不安を解消するための手段として右へ頭を振る行為は、直ちに是正しなければなりません。