一過性脳虚血発作を繰り返すサイン!数分で治る麻痺に潜む脳梗塞の危機
医療現場のカルテや患者家族の手記、SNS上で共有される生の体験談を検証すると、共通して浮かび上がるのは「症状が消えたことによる致命的な油断」です。
都内大学病院の脳卒中集中治療室(SCU)を担当する専門医は、取材に対して次のように現場の実情を明かしています。「『朝食時に箸を取り落とし、呂律が回らなくなったが、5分休んだら元に戻ったので仕事に行った』と語る50代男性が、その日の夜に本格的な脳梗塞を発症して救急搬送されてくる。こうしたケースが後を絶ちません。本人にとっては『治った』体験であっても、脳血管内腔では血栓が成長を続けており、次の完全閉塞で不可逆的な片麻痺や失語症を抱えることになるのです」
知恵袋やコミュニティサイトでも、「親が数分間ボーッとして受け答えができなくなったが、水分を取らせたら会話できるようになったので病院へ連れて行かなかった。翌日倒れて寝たきりになった」という痛恨の告白が散見されます。人間には、不都合な身体異変を過小評価しようとする「正常性バイアス」が働きます。数分で動くようになった手足を見て「大したことはない」と思い込みたい心理が、専門受診を遅らせる最大の障壁となっています。
だからこそ、一過性脳虚血発作 入院の必要性は単なる検査のためだけにとどまりません。入院下で24時間のバイタル管理と持続心電図モニタリングを行い、万が一の再発時に発症後4.5時間以内の血栓溶解療法(rt-PA静注療法)や、カテーテルによる機械的血栓回収療法を即座に施行できる体制を整えること自体が、救命と後遺症回避の生命線となります。