仕事中だけ猛烈に眠いのは病気?ナルコレプシーの真相と休日に平気な理由
「平日の業務中には耐え難い睡魔に襲われるのに、休日は映画鑑賞やスポーツを何不自由なく満喫できる」。この現象に悩んでいる場合、結論から言えば医学的なナルコレプシーである可能性は極めて低いと診断されます。
ナルコレプシーは、脳の視床下部で覚醒状態を維持する神経ペプチド「オレキシン」を作り出す神経細胞が破壊・脱落することによって引き起こされる中枢性過眠症です。自律神経のオン・オフを司る大元のスイッチが物理的に破損している状態に等しいため、発症すると本人の意思や周囲の環境、緊張感とは関係なく睡眠に引きずり込まれます。つまり、真のナルコレプシー患者は、仕事中だけでなく、休日に友人と談笑している最中や食事中、あるいは歩行中であっても突然の睡眠発作に見舞われます。
では、なぜ「仕事中だけ」眠気が爆発するのでしょうか。そこには仕事中だけ眠い原因と対処法を探る上で見落とせない、以下の生体メカニズムが存在します。
最大の理由は、脳にかかる「刺激の質」と「慢性的な睡眠負債」の組み合わせです。平日の睡眠時間が6時間未満に削られている人は、潜在的な睡眠負債を抱えています。休日は外的な刺激(興味関心や報酬系ホルモンの分泌)によってドーパミンが放出され、辛うじて覚醒レベルが引き上げられているに過ぎません。これに対して仕事中は、定型業務や一方的な会議など低刺激な環境に晒されるため、脳の覚醒維持機能が限界を迎え、蓄積された疲労が一気に眠気として表出するのです。