赤ちゃんのうんちの色でわかる危険サイン|白・黒・赤の見分け方と受診基準

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小児救急および新生児医療の現場において、医師が最も警戒を強めるのが白色便、血便、そしてタール状の黒色便です。これらは時に外科的手術を要する急性疾患や、生涯にわたる肝機能障害に直結するため、数時間の判断の遅れが予後を大きく左右します。

第一に警戒すべきは、クリーム色、薄黄色、あるいは灰色がかった便です。母子健康手帳に必ず綴じ込まれている新生児うんち白便色カードは、まさにこの早期発見のために配備されています。新生児期から乳児期早期にかけて便が白っぽくなる代表的疾患が、約1万人に1人の割合で発症する「胆道閉鎖症」です。胆道閉鎖症初期症状としては、便の色が白〜薄い黄色になることのほか、皮膚や白目の黄疸が長引く(生後2〜3週間を過ぎても消えない)、尿の色が濃い紅茶色になるといった特徴が挙げられます。胆汁が腸管内に排泄されないために便が着色されず、白く抜けてしまうのです。本症は生後60日以内に肝門部空腸吻合術(葛西手術)を受けられるかどうかが自己肝生存率の分岐点となるため、便色カードの「1番〜3番」に該当する場合は、翌日を待たずに専門医の門を叩かなければなりません。

また、生後半年以降の乳幼児が突然白っぽい米のとぎ汁のような水様便を頻回に排出し始めた場合、ロタウイルス便白っぽい理由としてウイルス性胃腸炎が疑われます。ロタウイルスによって小腸の絨毛組織が広範に破壊されると、急激な消化吸収障害が生じ、胆汁の分泌不足と激しい下痢による腸管通過速度の上昇が重なり、便から色が失われます。脱水症状への進展スピードが極めて速いため、点滴治療を含めた速やかな全身管理が不可欠です。

第二の危険色である「赤」について、赤ちゃんうんち血が混じる受診目安は出血の性状と赤ちゃんの全身状態によって二分されます。便の表面に鮮紅色の血が細い筋状に付着している程度で、本人が元気であれば、排便時のいきみによる「肛門裂傷(切れ痔)」であることが大半です。しかし、激しく泣き叫んだ後にぐったりする動作を数分〜数十分おきに繰り返したり、粘液と血液が混ざり合った「イチゴジャム状の便」が排出された場合は、「腸重積症(ちょうじゅうせきしょう)」が強く疑われます。腸の一部が隣接する腸管に入り込んで血流が途絶える疾患であり、発症から24時間以内に高圧浣腸等で整復しなければ腸管壊死に至る危険があるため、夜間であっても直ちに救急外来を受診しなければなりません。

第三の危険色である「黒」に関しては、赤ちゃん黒いうんち原因を慎重に見極める必要があります。出生後2〜3日以内に出る粘り気のある濃い黒緑色の便は「胎便」と呼ばれ、羊水や胆汁を排泄する正常なプロセスです。しかし、生後数日を過ぎた後に真っ黒なコールタール状の泥状便が出た場合、胃や十二指腸などの上部消化管からの出血を意味します。血液中のヘモグロビンが胃酸や消化酵素に触れて酸化されることで黒変するためです。ビタミンK欠乏性出血症(新生児メレナ)などの重篤な凝固障害が隠れているケースもあり、見過ごすことは絶対に許されません。

佐々木 一輝

佐々木 一輝

ビジネス戦略アナリスト

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。