キッチン南海神保町はなぜ移転した?黒いカレーの現在と攻略法
日本の飲食文化において、大衆洋食は単なる「食事」を超えた文化遺産です。高級フレンチやイタリアンとは異なり、米飯に合うように独自の進化を遂げた日本の洋食。キッチン南海が体現しているのは、職人が寸胴鍋とフライヤーの前に立ち続け、手頃な価格で労働者たちの腹を満たしてきた「昭和の大衆外食美学」の完成形です。
目まぐるしい再開発によってチェーン店や均質化されたカフェが街を埋め尽くす現代において、手作りの褐色のルーを仕込み、注文ごとに丁寧にカツを揚げるライブ感は、極めて希少な食体験と言えます。しかし、すべての人に無条件でおすすめできるわけではありません。
おすすめできる人の条件
- 力強くパンチのある味付けを愛する人:ビターな苦味とスパイスが織りなす濃厚なカレーや、白米が止まらなくなる濃いめの生姜焼きをガッツリ食べたい人には至高の聖地です。
- 活気ある職人芸とスピード感を好む人:無駄口を叩かず、阿吽の呼吸で料理を仕上げていく厨房のプロの熱気を感じながら、スマートに食事を済ませたいビジネスマンや食通。
- 歴史ある食文化の文脈を楽しめる人:神田神保町という街が育んできた学生街カルチャーと洋食の歴史を舌で追体験したい人。
慎重になるべき・避けたほうがいい人の条件
- ゆったりと長居しておしゃべりを楽しみたい人:店内は常に満席で外には行列が絶えません。食後の会話や読書を楽しむ場所ではなく、「食べてすぐ出る」のが鉄則です。
- 薄味や健康志向・低糖質を極限まで求める人:ラードのコク、揚げ物、しっかりとした塩分と糖質が魅力の料理です。ヘルシー路線を求める場合はミスマッチとなります。
- 小さな子ども連れや大人数グループ:カウンター席が中心で通路もコンパクトなため、ベビーカーの持ち込みや4名以上のテーブル席指定は現実的ではありません。