牧神記が世界で絶賛される理由とは?あらすじと強さの秘密を徹底解剖
物語の起点となるのは、神々に見捨てられ魔物が跋扈する危険地帯「大墟(たいきょ)」の片隅にある「残老村(ざんろうそん)」です。川の上流から流されてきた赤ん坊・秦牧(シン・ボク)は、手足のない村長、両目が見えない按摩師、耳が聞こえない鍛冶屋、足の不自由な老人、言葉を話さない案内人、肉切り包丁を握る不具の料理人など、身体の一部に重い傷や欠損を抱えた9人の老人たちに拾われます。
一見すると哀れな隠棲者に見える老人たちの正体は、かつて大陸全土を震撼させた伝説の覇者や神級の怪異たちでした。彼らから究極の神神通や殺人術、医術、鍛造技術を叩き込まれた秦牧は、自身が「凡体(凡庸な才能)」であることを知りながらも、村人たちの温かい嘘である「お前こそは万年に一人の覇体(はたい)だ」という言葉を純粋に信じ込み、過酷な修行へ身を投じます。
外の世界へ旅立った秦牧を待ち受けていたのは、旧弊な宗派勢力と対峙しながら「民のための神神通」「産業と道術の近代化」を推し進める延康国の国師や皇帝との邂逅でした。秦牧は持ち前の天真爛漫さと底知れぬ胆力で、腐敗した神々の支配に風穴を開けていくことになります。