荒木町が食通を魅了し続ける理由|花街の歴史から名店・予算まで徹底解剖
新宿区荒木町の魅力を体感するなら、街を南北に貫く2本のメインストリート「車力門通り(しゃりきもんどおり)」と「杉大門通り(すぎだいもんどおり)」の個性の違いを知るのが最短ルートです。
四谷三丁目駅から新宿通りを渡ってすぐの「車力門通り」は、かつて松平家の門前で荷車を引く車力たちが多く行き交ったことに由来します。現在は石畳風の舗装が施され、落ち着いた大人の風情が漂う通りです。ミシュランガイド東京で星を獲得するような最高峰の日本料理店や完全予約制の割烹、熟練の職人が握る鮨屋が点在し、大切な接待や四谷三丁目ディナーの勝負どころとして選ばれています。
一方、一本東側に位置する「杉大門通り」は、かつて杉並木の大門があったことにちなむ通りで、車力門通りよりもやや道幅が広く、賑やかな大衆酒場や個性派ビストロ、焼き鳥、中華料理店などがひしめき合います。活気ある居酒屋で乾杯した後に、路地の奥へと分け入って荒木町バーで一人飲みを楽しむといった、ハシゴ酒の導線としても機能しています。
さらに、この2大通りを繋ぐ無数の横丁(みずき通りや金丸通りなど)や、策の池へと下る急勾配の階段沿いには、看板すら控えめな看板のない名店が潜んでいます。隠れ家居酒屋からカウンター数席の日本酒専門店、深夜まで営業するオーセンティックバーまで、歩くたびに新たな発見がある飲み歩きスポットとしての奥深さは、東京広しといえども荒木町ならではの真骨頂です。