【2026年最新】気候変動とエネルギー危機を挽回する「ナノの空間革命」――京都大学・北川進氏が拓いた分子科学の現在地
大気中から直接二酸化炭素を取り除く「直接空気回収(DAC)」技術において、MOFは核心的コンポーネントとしての立場を固めた。従来の液体アミンを用いた吸着システムは、再利用する際に莫大な熱エネルギーを消費することが普及のボトルネックだった。
対するMOFフィルターは、分子レベルでの化学的相互作用を制御することで、100度以下の低温排熱や僅かなエネルギー変化で吸着したガスを離脱させることができる。エネルギー効率を大幅に引き上げたこの特性により、DACプラントの設置コストと稼働コストが劇的に低減。ビル空調への組み込みや移動体への搭載など、都市環境全体を脱炭素のフィルターに変える試みが本格化している。