中村勘九郎の母・波野好江の現在とは?名門の令嬢から中村屋を支えた素顔
好江さんと十八代目中村勘三郎(当時・五代目中村勘九郎)さんの出会いは幼少期にさかのぼります。幼馴染として育った二人ですが、勘三郎さんが好江さんに激しい恋心を抱き、「好江と結婚できなければ役者を辞める」と周囲に宣言するほどの猛アタックの末、1980年に結婚が実現しました。
天性の人たらしで型破りな天才役者だった勘三郎さんは、私生活でも豪快そのものでした。数々の浮名や突然の思いつきに振り回されながらも、好江さんは感情的に取り乱すことなく、ユーモアと広大な包容力で夫を包み込みました。当時の特番インタビューや密着ドキュメンタリーにおいて、勘三郎さんは「女房がいなければ、今の自分は100パーセント存在しない」と公言して憚りませんでした。
長男の勘九郎さん、次男の七之助さんという二人の息子を育て上げ、夫の夢であった「平成中村座」の立ち上げや海外公演の成功を裏方として完遂させた手腕は、梨園の歴史においても屈指の功績と評されています。